8月22日

 朝、と呼べる時間に目を覚ました。
 時計が枕元から消えていたのを、床の上に見つけた。朝の7時。ベッドから降りて時計を拾おうと身をかがめたら、ベッドの下が空色に光っていた。
 不思議な光景だった。まるで窓の外がもう一つあるみたいな。いや、むしろ窓の外よりも明るかった。真っ白な雲が映える真っ青な空が、もうすでに7時とは思えない。その光は、ベッドの裏側から漏れているみたいだった。
 さっきまで確かに寝ていたベッドの裏板は、触ろうと思っても触れない。空に手を伸ばしているように、つまりはただの空をかいているかのような感じ。
 試しにベッドの下に頭を入れて呼吸してみたら、すがすがしい空の中で呼吸しているみたいだった。面白い。新鮮な空気を吸ったら、気持ちよく眠れそうだ。
 昨日眠りに落ちたのは3時過ぎ。さすがに長電話しすぎた。あと1、2時間は二度寝しても怒られないだろう。ベッドにもぐると、絵に描いた雲みたいにふかふかな気がした。